黒薔薇美音。もと攘夷志士の一人。
性別は女。
無理矢理押し切って攘夷戦争に参加し数多の天人を
斬って生き残ったかなりの強者であった。
しかし戦争が終わってすぐに姿を消した。
銀時に一言残してから・・・

「すぐに帰ってきてやるからな。待ってろよ。」

あれから数年がたった。
あの馬鹿女は元気にしてっかなーなんて
あいつはもう帰ってこねーだろなんて銀時が
油断しているときの話だった。








ピンポーン♪







「はいはい。うちは新聞はお断りしてますって何度いったら
 わかるんだよこのクソじじいがあぁぁぁ!」

いきおいよく玄関の扉を蹴り倒す銀時。
このままマダオの時みたいにそのままお客さんに
蹴りが炸裂か?
とおもったら、スっとよけられ逆に男の勲章に
蹴り返す。銀時は泡を吹きながらピクピクしている。

「なんだぁ?約束通り帰ってきてやったってのに
 いきなり跳び蹴りか?あぁ!?」

うでを組み、上からものすごい殺気をはなちながら
銀時を睨み付ける女性。

「ま、まさか美音か!?」

とガバっと起きあがる銀時。

「めずらしく名前だけは覚えていてくれているみてぇだな。」

そうこの男っぽい怖いおねーさんこそがこの小説の主人公
の黒薔薇美音である。
ミニスカート姿で腰には堂々と刀が二本さしてある。

「おうおう、おねーさん。町中でそんなん持ち歩いてたら
やばいんじゃねーの?」

「だれがおねーさんだ。ふざけてると
マジで斬り殺すぞ?」

と刀を構える美音。
そこへダメガネこと志村新八が
玄関からでてくる。

「なにやってんですか、銀さん。
お客さんなんでしょ?早く中に入れてあげてくださいよ。」

「バッカ、おめーこんなやつを家に入れたら大変なことに・・・」

「なんか言ったか。あぁ?」

と睨みつける美音。
すっと新八のほうへ向きを変える。
そして今さっきとは想像のつかないくらいの笑顔で新八に
話しかける。

「それじゃ遠慮なくあがらせて頂きますね。」

と超スマイルでおじぎをする美音。
ギャップに驚きながらもどうぞと中に案内する新八。















「で、なんの用だ?」

「なにが。」

「いやだからよ、なんでここに来たんだってきいてんだよ。」

とケーキを食べながら聞く銀時。

「なんでって、そりゃ約束したからにきまってんじゃん。」

「んじゃ約束なんてどうでもいいから帰れや。」

「いやだね。」

とそっぽを向く美音。

「いやいや、帰れ。」

「けっ。おまえが金がねーって言うからたっぷり持ってきてやったのによ。
まぁいっか。いらねーんだもんな。よし帰るか。」

とソファーから腰をあげる美音。

「ちょっとまて。金ってどんぐらい持ってきたんだ?」

と美音を止める銀時。

「ん〜・・・軽く一億・・・」

と美音が言いかけた時だった。
ガバッと美音の手をとる銀時。

「なんでも言うことを聞きますから、
出て行かないでください!女王様!」

「さわんじゃねーよ!汚らわしい!」

と銀時の手をふりほどく美音。
しかたねぇな、と腰を下ろす。

「ただし条件がある。」

と美音。

「条件?」

「山崎という男のところまで案内してほしい。」

「山崎って・・・あの大串君とこのミントン君?」

「大串・・・?まだあいつ金魚かってんのか?
 じゃなくて、そうそう、あのミントン好きなイカス男だ。」

「なんであいつのとこなんかに?」

「おまえにはカンケーねぇ。」

「もしかしてミントンやってる時の彼の姿を見て惚れちゃったとか?」

新八の言葉に顔を赤くする美音。
その反応をみて驚く銀時と神楽。

「うるせぇな!いいから連れてけよ!」

と怒鳴る美音。
はいはいと立ち上がる銀時。

「ちゃんと報酬はたっぷりもらうからな。」

「わかってるよ。」

四人は万事屋からでた・・・・。


つづく。